「民でやれるものは民へ」と、公共性の極めて高いサービスや施設の管理・運営が急速に民営化されています。とりわけ、子どもたちや高齢者、障害をもつ人たちなど、地域住民の命や成長・発達を支援する対人サービス業務も、例外なく、その対象となっています。私たちは、こうした人の成長・発達や命を支える仕事は、「市場化・営利化」にはなじます、市民が広く主体的に参加することで、市民自治を高める「市民化・社会化」の方向で、市民自身が受け皿となることこそが相応しいと考えています。
私たちは、これまで自治体が委託する公園緑化サービス、建物管理、病院や学校の給食サービスなどを「入札制度」で受託し、管理運営してきた長い実績をもっています。こうした活動を基礎に、高齢者福祉に関係して全国各地でホームヘルパーの養成研修講座を行い、修了生に「仕事おこし」を呼びかけ、地域の人々の協力も得て、市民の主体的な力で全国約120カ所に「地域福祉事業所」を開設してきました。そこでは、訪問介護や通所介護などの福祉事業を中心に基盤を創り、さらに給食事業や子育て支援など、地域の福祉ニーズに応えるための活動を展開し、たくさんの就労の場を市民自身の手で創り出しています。特にこの数年は高齢者の介護予防や元気高齢者づくり、子育て支援事業、失業者の方を対象とする職業訓練講座、路上生活者の就労支援、養護学校の子どもや親を対象とするヘルパー講座、不登校の子どもや精神障害者のヘルパー講座や仕事おこし、商店街の空き店舗活用の活性化事業など、当事者が主体者になってのまちづくり、仕事おこしに関わる事業が大きく広がっています。
私たちは、市民が協同して地域を豊かにするために仕事をおこす事業体として、こうした公共サービス分野を積極的に担い、公共サービスの場を交流や学びを通じた市民自治を高める場に変え、まちづくりの拠点をになう取組みに一歩一歩発展させていきたいと願っています。全国的なネットワークと様々な分野の事業能力をもつ私たちワーカーズコープ・労働者協同組合の職場は、働く者・利用者・地域との協同=「協同労働」の中で利用者市民の主体的な関わりが生まれ、働く者の成長する姿があふれています。
私たちは、こうした理念と政策を、自治体に企画提案し、高齢者福祉センターの運営や、障害者支援、路上生活者支援、若者の就労支援などに活動が広がり、子育て分野では、板橋区内での認可保育園をはじめ、親子ひろばや児童館・学童保育などが30ヵ所を超え、更に市民活動支援センターや地区センターなどを含めて、多様な公共施設の管理運営の仕事を行っています。